ミュージシャンのデーモン閣下さんはテレビで、「ずっと悪魔を演じていて疲れないですか?」という質問に対して、「この姿でいるからこそ、世を忍ぶ仮の姿では言えないことが言える」という趣旨の話をしていた。確かにそうだと思う。
演劇の俳優をする時も、普段では自分の見せない自分でいられるという楽しさを感じられる。私はこれまで出演した8割の役が何らかの権力者或いは悪の親玉だったので、欲にまみれた自分をそのまま出せる事に快感を感じているのだと思う。(逆に臆病な役も割と好きである)
同様にネットの掲示板やSNSでも、普段出さない自分を演じることができる。しかし、「死んでしまえばいい」とか脅迫めいた事も簡単に言えてしまうから他人を酷く傷付けたり、炎上したりもしやすい。
デーモン閣下や舞台俳優はある程度特定する要素(容姿や声など)があるので傷つけるような言葉を言ってしまえば批判は免れないが、完全な匿名の人の場合は警察の捜査が入らない限り簡単に逃げられてしまう。
だから、今の時代では益々、プライベートで自分の言いたい事を言えるというのはとても力がある事なのだと思う。