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チームドリームという名前

今更ながら、私は自分が3年間近く主催して来た「チームドリーム」というユニット名にコンプレックスを感じている。
というのも、演劇の稽古や上演をする会場を予約する際、受付の方に「その…チームドリームという演劇ユニットをやっているんですけど…」という自己紹介をするのが、とても恥ずかしいからだ。
だからいつも「チームドリーム」の部分をごにょごにょと小さな声で言ってしまうので、大抵の場合、聞き返されてしまう。その度に頭の中の1人の自分が次々とツッコミを入れる。

『チームドリームって何だ?ドリームチームなら分かるよ?名のあるスポーツ選手が集結してできたカッコいいチーム。本当に夢に見るような偉大なチームに付けられる名前。こちとら所詮、演劇サークルからぽっと出たそんじょそこらの弱小演劇ユニットだ。誰もお前の事なんか知らないし、そんなものに全く夢なんか感じられない。そんなユニットにドリームなんて言葉は贅沢すぎる。せめて、お願いだから、TeamDreamって英語表記にしてくれ。カタカナ表記なんて英語を覚えたての小学生が間違って付ける名前じゃないか。』

他の劇団さんの稽古に訪問する時にも、自己紹介では「”とある”演劇ユニットで主催をやらせてもらってます。そめやみつと申します」とだけ伝えている事が殆どだ。それでも、他の演劇団体からの折り込みチラシ入りの封筒は「チームドリーム様」という宛名で送られてくる。封筒の不在通知書がポストに入れられていた時は、郵便局で恥ずかしい自己紹介をするハメになる。もう、開き直って「劇団そめやみつ」にした方が良いのではないかと薄々考えているくらいだ。

なぜ、そんな恥ずかしい思いをしてまで、この名前をつけたかと言うと、矛盾しているようだが、なるべくダサい名前でやりたいと思ったからなのだ。
なぜダサさを求めたかと言うと、福岡の若手演劇集団にセンスの感じられる名前が多かったからだ。

「一寸先はパンプルテ」「砂漠の黒ネコ企画」「がらくた宝物殿」「ジャカっと雀」「劇団言魂」「Mr.daydreamer」…

挙げればきりがないが、いかにも創作活動をしているような人達の名前だと私は感じた。正直、これらの劇団の中で何か新しいカッコいい名前で主張しようとしても、全く存在感が感じられないように思ったのだ。
だから、敢えてダサさを主張する事で少しでも存在を知ってもらいたいと思い「チームドリーム」というツッコミ所満載の名前になった。つまり、「チーム」にも「ドリーム」にも本当の意味での「仲間」とか「夢」の意味はない。

実際、この名前を変えようと、何度も考えた(今も悩み続けている)しかし、もう何年か活動をしている以上、今更メールアドレスとか、Twitterアカウントとか、練習に使っている会場での登録名の変更とか、色々な制作作業が面倒になる。むしろ、「ダサい名前だからなんか別のカッコいい名前にします」と言いながら、別のダサい名前に行き着く可能性もあるのだ。
でも「あと○年続けたら名前が変わる。」とか、「○公演目に改名します。」というのは案外良いかもしれない。


(今日、約1ヶ月半ぶりにブログを再開しました。これまで休止していたのは忙しかったというよりも書くネタが枯渇していたからです。また、出来る限り続けて行きたい。)